烏帽子岩 丸森町大内
烏帽子岩 丸森町大内

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がった石・岩のことを烏帽子に例えて烏帽子岩・石と名づけられる例は日本全国に数多くあります。烏帽子とは平安時代から室町時代にわたり、男性が被った細長い帽子のようなもので、身近な例では神社の神主さんが被っているものといえばわかりやすいと思います。

この烏帽子に似た石が丸森町の大内地区にあることがわかりました。きっかけとなったのは大正時代に発行された伊具郡誌という本です。大内の頁に「烏帽子岩」という石が紹介されておりますが、残念ながら「吹上坂にあり」の説明だけで詳しい場所までは書かれていませんでした。

伊具郡誌の大内の頁で紹介されている烏帽子岩

「吹上坂にあり今では土中深く埋まっているので尺寸ははかり知れないが古来名石として知られている(名跡志)」

吹上坂」という数少ないヒントを元に数年間大内地区の方に聞いて探していましたが、「そのような坂は聞いたことがないね」の返事ばかりで、見つけるきっかけを掴むことができませんでした。

かつては名石として知られていたのが、今では知る人がいなくなってしまったと探すことを諦めかけていたある日、大内地区に住んでいるKさんとお話する機会がありました。山菜のことから林道の話、さらに烏帽子岩の話題に展開したところで、私は「吹上坂の烏帽子岩のことを言うのでしょうか?」と聞き返しましたら、「その通りです」とのことでした。

烏帽子岩の目印となる「吹上坂」はどこにあるのか聞いたところ、「そのような坂は無いけども、吹上という地名はあります」との答えからして、伊具郡誌に紹介されてある「烏帽子岩」に間違いないと確信することができました。こういう偶然があるから丸森町の巨石探索は面白いのでしょうね。

場所がわかったら、次にすることは行動するのみ。
数年間探していた烏帽子岩をついに見ることができるという興奮を抑えつつ大内の林道を行ってきました。


烏帽子
中世の建築現場で大工が烏帽子を被っている場面。(松崎天神縁起絵巻より)
鳥獣戯画で蛙と猫が烏帽子を被っている場面。

鳥獣戯画は漫画のルーツともいわれ、蛙や猫、兎や猿がユーモラスに描かれており、純粋におもしろいです。
烏帽子岩への道のり
大内の国道113号線を相馬方面を進んで行くと、右手に「クレー射撃場」の看板が見えてきます。看板のある道路を進みます。
石碑群
右折して約100m程進むと、石碑群がございます。
湯殿山の石碑の前に猫の碑が2基あります。
歩く人を見守るお地蔵様。優しいお顔をされています。
ちょっと寄り道1 岩ノ入観音堂
石碑群より進むと、岩ノ入観音堂の登り口がございます。
石段を登って行くと、蚕神の石碑があります。養蚕が盛んだったことを物語っています。
鳥居をくぐって不整形の石段を登ります。
岩ノ入観音堂。
境内の石碑群。
ちょっと寄り道2 バス停留所?
岩ノ入観音堂から先へ進むと、泉菜園と書かれたバス停が見えてきます。三月殿、畑中と書かれていることから、かつて角田市枝野にあったのを持って来たものと思われます。
近くには、青葉北、中山、大山口のバス停が・・・なかなか貴重なモノです。
ここからが本番
バス停群を過ぎてしばらく進むと、左手にクレー射撃場の門が見えてきます。その右側の道路を進んで行きます。

ちなみに、この林道は旗巻古戦場に通じています。
見ての通り林道なので舗装されていません。もし行くのでしたら、車高の低い乗用車は難しいかと思います。
林道のカーブに差し掛かったところで、気になる石が見えてきました。
烏帽子岩発見!
これが数年間探していた烏帽子岩です。
烏帽子岩の拡大写真。
なるほど、石の尖がっている所は烏帽子に似ています。
烏帽子岩の後ろから撮影してみました。まさに烏帽子。
烏帽子の部分です。
丸森に多い花崗岩とは別の石質でしょうか?
烏帽子岩と記念撮影。
探し続けたものを見つける楽しさを烏帽子岩は教えてくれました。
Mapion
駐車場はありません。車高の低い乗用車はお勧めできません。
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