立石 日本一の道祖神 丸森町羽入地区
立石 日本一の道祖神 丸森町羽入地区

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森町の天然記念物である立石。文化財に登録されたのは昭和41年10月5日です。登録されてから大分経つにもかかわらず、あまり注目されていないことに私は苛立ちを感じていました。この「丸森の巨石伝説」はこの立石を紹介するために立ち上げたと言っても過言ではありません。

◎丸森の立石に関する資料を出来るだけ集めてみました◎

丸森の文化財第1集

「由来 丸森町の中心街から東南東約2kmの山の中腹にそびえ立ち、その高さ12.5m、周囲25mの大石である。その昔、安倍貞任(1050ころ)が石上に立ったと言い伝えられるほど、以前から人々に注目されてきたものである。
この巨大な石に対して、人々が何か信仰の対象にしたとも考えられ、石のまわりに、弥生式土器の破片や年代不明の貨幣などが発見されている。
現況 丸森町羽入東の峰上にある柱状花崗岩である。
巨大な岩石のため、筆甫街道上滝に至るまで、見る場所によってその姿を変え異様な感じを人々に与えている。」


丸森町文化財事典

「この石は花崗岩で、この近くには、この石ほどではないが、それでも高さ数mの大石が散在している。しかしその成因などについてはわかっていない。
この石のまわりから、弥生式土器片や土師器片が出土したといわれるが、本格的調査はされていない。」


私も以前、立石の周りで土器のかけらを見つけたことがありましたが、残念ながら無くしてしまいました。


阿武隈渓谷県立自然公園(仮称)予定地学術調査報告書

「立石は町の文化財に指定されている巨大なもので露岩部の高さ12.5m(背後高7m)、周囲27mあり、円筒形のかたちから巨大な男根ともいわれ、信仰の対象になっていたものである。「観跡聞老誌」の中に「候石峯(マトイシヤマ)」と記されたものがこの立石であろう。」


伊具郡東根丸森村 風土記御用書出

「一 立石 高サ拾丈餘 廻リ九丈三尺 右ニ付由来相知不申候事」


昔から名石として知られていましたが由来はわからなかったようです。


伊具郷土創刊号

「丸森町の東、鍋つる山にそびえる立石は、周囲32メートル、高さ13メートル、重さ約1800トンもあり地方民の信仰の対象であったと考えられる。古老の話によると山頂の羽山神社の前庭がこの広場で、春秋の祭の前夜、天狗が踊ったとの話も残っている」


天狗が立石の周りで踊ったというのは、なんだか親しみを感じます。
この立石、土器片が出てきたり、八雲神社の奥宮であったり、羽山神社の前庭であったりと古代人における信仰の対象になっていたというのはまず間違いないでしょう。


立石の伝説(丸森町文化財辞典より)

「羽山と立石  昔、羽山と立石は大空を貫くほどの大石であったという。
お互いに勢力争いを始め、ついには火だるまの猛げんかになってしまった。
南の石(立石)と北の石(羽山)の火花を散らすさまは、遠くの里から見ても、夜でも昼のように明るく、まるで雷がなっているようにすごかったという。
この猛げんかは何日間か続いたが、とうとう羽山の大石が負けて、半分くらいが金山の方に飛ばされてしまった。
怒った羽山の大石は、最後の力を振り絞り、火の玉となって立石に体当たりをした。
立石の一部は東の方を削り取られ、山の下の方へうなり声を上げながら飛んで行った。
今も泉屋敷の下、内川の川底に残っている。ここに飛ばされてからも、悔しさのあまりうなり散らしているので、土地の人々はうなり石と呼んでいる。
その後、残された羽山と立石には、羽山大権現が祀られ、作神様としてふもとの人々から信仰されるようになった。」


小・中学生の頃は、嫌なことがあると立石へ行ってよく丸森の風景をながめていました。高校生の頃は安倍貞任のマネをして立石へ登る計画を立てました。
今はありませんが立石の近くに松の木が2、3本ありロープに括りつけて反対側から登ろうと思いましたがあまりの高さに怖くてやめてしまいました。
そんな思い出のある立石を紹介したいと思います。



立石の麓



やっぱり立石に行くのは冬に限りますね。
立石の下の祭壇石もはっきりと確認することが出来ます。
いつも車で通る時に思うのが、立石の下にある角ばった祭壇石が賽銭箱のように見えるのは私だけでしょうか?


応永二十二年(1415)に笠間氏が創建したという八雲神社。右後方に小さく見える立石は、この神社のご神体あるいは奥宮と言われています。


八雲神社は建速須佐之男命を祭神とする古い神社で、以前は牛頭天王(通称お天王さん)と呼ばれていました。明治三年に現在の名称に改められました。


境内の石碑。
庚申塔、巳待供養塔、丸森特有の一代塔が見られます。


境内の銀杏の大木。
1キロほど北西にある、宮城県指定の天然記念物の「大銀杏」とは夫婦であると言われています。多分こちらが♀でしょう。


庄吉観音の由来がある大銀杏。こちらの銀杏は実がならないというので♂だと思います。
立石よりそんなに遠い所ではないので見学することをお薦めします。
大銀杏については違うページで紹介したいと思います。

立石への道のり


羽入集会所を目印に山に向かって進んでください。正面に見える山は前にも紹介したことのある羽山(丸森富士)です。


羽入集会所を目印に羽山(丸森富士)を目指してくると廃車置場が見えてきます。トラクターも置いてありました。


道を行く人を見守る馬頭観世音碑


隣の山神の碑


羽山の麓にある火薬庫。
小さい頃近所のおじさんが、ここの火薬庫が爆発すれば山が吹っ飛ぶと聞いて夜も眠れなかったことを覚えています。

火薬庫を過ぎると、バス停のような看板が見えてきます。

熊出没注意!!幸いにも熊には出会ったことはありません。

割れた石がお出迎え

バランス感覚が必要です。落ちないように気をつけて!

ここから急坂になってきます。頑張って!

結構辛いです。
やっと、とうちゃ〜く!

しばらくすると立石の異様な姿が見えてきます。
機関紙「まるもり」には
日本一の道祖神」として紹介されています。

うっ!で・でかい!!
しかし写真じゃ伝わらないですね。これじゃ5m位の高さにしか見えないですね。

下から見上げてみる。いまいち大きさが伝わりにくい(^^ゞ

違う角度から撮影してみました。

立石周りの石。
立石があまりにも大きいためか、小さく感じます。それでもかなり大きい石です。

同じく立石周りの石。これらの石が立石を囲んでいます。

ここで高校生の頃、弥生式の土器の破片を発見しました。雨が降ってきたらこの中で雨宿りできます。

立石周りの石。立石と比べると小さく感じますが、それでも相当大きな石です。遠くに見える川は内川。

龍のような模様が入っています。

整然と並んでいる巨石。

人工的な印象を受ける石組。正面は模様のある石。

立石に向いている祭壇石。
木を切る以前は、この祭壇石まで降りてくるのに一苦労でした。

祭壇石という名前は私が勝手に名付けました。

霊峰蔵王山。手前は重なり石。

霊峰にふさわしい山です。
スキー場が見えます。しばらくスキー行ってないなぁ〜

立石の頭の上を飛行機が飛ぶ。
いやぁ空が青い!まさにスカイブルーです。ブルースカイ?どっちでもいいや!

松掛方面
源義家が松掛の大石目掛けて弓矢をうったという話が残っています。まぁ届くかどうかは別として、松掛の大石も相当でかいです。松掛の的石についてはこちら

立石のライバル羽山。
下に見えるのは先ほど紹介した火薬庫。

羽山大権現

羽山大権現へ行く道です。

かなり岩が多いです。気をつけて!

頂上には二つの石があります。

スパッ!と斬られたような石が隣の石に寄りかかっています。自然にできたものなのか、人の手が加えられたのかは不明です。

喧嘩をしたのに羽山大権現の碑。
ホントは仲がいいんじゃない?

立石付近の巨石群

立石より約50m下ったところにも巨石群があります。

木を切る以前は、立石からほとんど見えませんでしたが、この巨石群の存在は、家にある古い写真で知っていました。

同じく巨石群。

別のルート

新しく出来た立石入口の石碑

看板が出来て迷わなくなりました。

車3台ほど駐車するスペースがあります。

看板の通りお進み下さい。

池を横目に見ながら進みます。

写真ではいまいち大きさが伝わりませんが、かなり大きな石です。

これもまた大きな石です。

石の下に水が流れています。

立石の絵がいかしています。

あともう少しです。

角度によって色々な立石の表情を見ることができます。
立石が傾いているのは、羽山の巨石の体当たりによるものだとMさんは言っていました。

立石周りの石と自分

超貴重!私の家にある立石の昔の写真

私の家に保存されていた立石の写真です。

「小さい頃立石に登って遊んだ」と言われる方にお会いしますが、この写真を見る限り12mもの手がかりの無い石に登ることは不可能だと思います。

自分と立石を比較してみました!

最後に写真じゃ立石の大きさがわからないと思うので、自分が立って比較してみました。

大きすぎて立石がおさまりませんでした。

屋久島の天柱石と比べても遜色ありません。

自分がちっぽけに見えます。
皆さん!斉理屋敷もいいけど立石もいいですよ!

立石への行きかた

立石の鳥瞰図

Mapion
行きかたは、まず羽入の集会所を目指して山側へ向かって進んでください。
立石を登ったあとは、羽山・小富士山登山、あるいは佐野製糸工女の墓・小富士山古墳・瑞雲寺・渓水寺参拝されることをお勧めします。
※地区外から来た方は「たちいし、たちいし」といっていますが正確には「たていし」です。
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