堂平山の巨石群 丸森町大内
堂平山の巨石群 丸森町大内

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内黒佐野へはよく仕事柄車で行くことが多く、地区の方とお話をすると、何人かに一人の割合で堂平山(標高515メートル)の話題になることが多い山です。この山は大内と筆甫の境にある山で、地元の方がおっしゃるには頂上に大きなお寺があったということでした。また礎石(建物の土台になった石)や瓦が見つかったという話も伝わっています。堂平山の麓には荷揚場(にあげば)という地名があり、そこから堂平山へ食料や荷物を運んだ話が伝えられています。

ふるさとの伝説によりますと

「昔、この山には十二の寺院があった。中心の寺院名を堂平山東福寺または堂平山慶勝寺と称し一大勢力を誇っていた。この寺の田がふもとにあり、ゆえにこの集落を東福田と呼ぶようになった。本堂を中心に両脇に鐘楼ほか附属の建物、正面には池という伽藍配置で、南北朝時代、霊山城が落ちたとき、この寺も戦災に遭い跡形もなく焼け落ちた。このとき、金銀財宝や貴重な漆を山内に埋め隠し、本尊を運び出して祀ったのが金山杉下の阿弥陀堂(石倉山巨石群参照)である。」

「青葉の大内晋(すすむ)翁が書き記した大内漫録に周囲二、三十間くらいの池があり、水が澄んでいて中にはかきつばたが咲く。池の西上部に本殿と思われる五、六間に十間くらいの礎石がある。その上部に石垣と、一、二間四面くらいの建物跡があるとあり、当時は池や礎石が残っていたことが分かります。このほか、布目かわらを発見したこと、付近に堂場の後がはっきりと確認できる所が数か所あったことも書かれています。」


●平成22年2月20日、まるもりふるさと館にて「伊具丸森の古代史」の研修会がありました。
講師である古山一明先生の資料によりますと

「堂平廃寺 幻の山林寺院跡

 標高230m?(※標高は515m)丸森町堂平山の山頂から東に少し下った場所に湧き水があり、それを取り囲むように平場が造成され、建物礎石が残っている。周辺の峰峰には修行僧の行場にふさわしい巨岩が露出した岩倉が点在している。

 平安時代には、坂上田村麻呂に象徴されるように「蝦夷反乱」に対する戦争こそが陸奥国の最重要課題であり、中央政府にとっても心配の種であった。政府は国家鎮護を祈祷する寺院と僧を厚遇し、とくに、天台系寺院が山岳修行の場として各地に山林寺院を建設した。その多くは中世に廃れ、その記憶さえ止めていない場合が多いが、最近、そうした幻の山林寺院跡が全国各地で発見されてきている。堂平山の廃寺跡も、そうした幻の山林寺院跡の一つと考えられている。遠く相馬の海岸が望めることからみて、相馬地方との関係も深い寺院と見られる(※似たような話として鎌倉山の郷土の伝承を参照して下さい)

平家物語に出てくる文攪上人は全国の山岳寺院を渡り歩いているが、こうした山上の寺院が各地にあって、名も無い修行僧たちが黙々と修行していたのであろう。」


●堂平山に関して興味深い記事を見つけました。
丸森町薬用植物愛好会会報によりますと

「ラドンを生む石   

丸森町の堂平山や羽出庭にはラドン量が普通の地域の三倍程度はあると見てよいと思います。なぜならば、この地域内にはラドンを発散している鉱物があるからです。

その一つは堂平山地内の丸森鉱山と呼ばれるモリブデン鉱石のとれたペグマタイト中に黒雲母やジルコンがあり、その鉱物に微量ながらウラン、トリウムなどの希元素が含まれているものがあります。また羽出庭鉱山では褐簾石、フェルグソン、ゼノタイム、燐・胴ウラン雲母などの鉱物が産出された関係上、やはりラドンがこれらの鉱物に比例して放散されているます。

     途中省略

通常、我々が呼吸している空気1cc中には新陳代謝に寄与するラドンが二ケ含まれているとされていますが、鉱物より割り出して推測すれば、堂平山、羽出庭などの鉱山地上では、おそらく、1cc当り六ケ程度のラドンが含まれているものと考えられます。

若返りを希望する人は暇をみて、堂平山や羽出庭の鉱山跡で実験的にこの放射エネルギーを浴びてみることも面白いと思います。

とありました。放射エネルギーというのはよくわかりませんが、なんだかすごい山のようです。


堂平山への道
入山禁止の看板があるので自己責任でお願いいたします。
黒佐野橋の銘
迷ったときのことを考えて鉄塔のあるところから登って行きました。
堂平山を登るには登山道はありませんので気をつけてください。
ひたすら尾根沿いを歩いていきました。
所々に赤や青の目印があることから推測すると、堂平山へ登る人が意外と多いのかもしれません。
不思議な模様の木。
堂平山頂上
麓から見るとそんなに大変な山とは思えないのですが、意外と歩く距離があり疲れました。

堂平山頂上には所々小さな石はあるものの、礎石や石垣といった寺院の跡は残念ながら見られませんでした。
コンクリートの杭
頂上は意外と広く、北側の方は笹が繁茂しておりました。この場所も礎石や石垣らしいものは見当たりませんでした。
ここにもコンクリートの杭が
またここにも
第1巨石群
更に北側を進んでいくと、赤い字が書かれた石が見えてきます。その石を目印に左へお進みください。
しばらくすると木々の間から石の集まりが見えてきます。
妖怪ぬりかべが2体いるような巨石。木が邪魔でうまく撮影することが出来ませんでした。
横から見たところ。なんとなくイースター島のモアイに見えませんか?
反対方向から撮影してみました。
第2巨石群
尖がった石。
鎌倉山の天狗の相撲取り場になんとなく雰囲気が似ています。
堂平山よりみた伊具盆地。
第3巨石群?
第2巨石群より撮影

木々の間から怪しい石が見えてきました。
勘を頼りに石のある方向に行ってみました。
芸術的な石組。
後ろに場所がないため全体を撮影することが出来ませんでした。巨石撮影するには広角レンズが欲しいところです。
空に向かって吠えているような巨石。しかも絶妙なバランスを保っています。
第3巨石群より岩岳を望む。
岩岳から眺めた第3巨石群。
雷が落ちて焦げた木の根と思われます。
清 滝
岩岳登山道近くにある、清滝の入り口
赤い橋を通って行きます。
途中にあった大きな石。
今度は少し下ります。
上がったり下ったりしていくうちに神社が見えてきます。
神社よりちょっと行った所に清滝があります。水がとてもおいしい。
マグマが冷えて固まったかのような石がありました。興味のある方はどうぞ。
荷揚場という地名
奈良又の山神さまから堂平山を眺めたとき道らしきものを見つけました。
矢印のような進路を通って荷物を揚げたのでしょうか?今では伝説だけが残っています。
出土した瓦と釘
まるもりふるさと館にて展示されております。
堂平山全景
堂平山全景

東福田より眺めた堂平山。丸森には堂平山という山が3ヶ所あるそうです。
Mapion
見晴らしは良くありませんが、木々の間から見える風景は素晴らしいです。
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