潜り岩と猿跳石・丸森町耕野 九瀧神社・福島県伊達市梁川町舟生
ホーム
きっかけ
巨石探訪
石碑巡礼
伊具の不思議
旅で出会った石
リンク
瑞雲寺HPへ
潜
り岩と猿跳石・九瀧神社の伝説は高校生の頃、大張に住んでいる同級生から聞いていました。丸森の伝説関連の本には必ずといっていいほど載っている有名な伝説のある巨石です。そんな潜り岩と猿跳石・九瀧神社に行ってきました。
●
潜り岩の伝説●
●
耕野の名所・旧跡と伝説によりますと
伝説では、天喜5年(1057年)安倍貞任が対岸を利用し、材木や石で川をせき止め、源義家の軍を防いだ時(前九年の役)、せき上がった水にこの岩が潜ったのでこの名が付けられた。その時、川の水が刈田郡方面に越えたので、越河(こすごう)と名付けられたという。そして、刈田郡方面は洪水になったという(安永の風土記)。近年、岩の高さを実際に釣り具で計測した人がいて、約39mあったとのことである。
●
まるもりの伝説によりますと
潜り岩は、天喜年間(1053〜58)安倍貞任が源義家の軍を向かえ撃った時、この場所で阿武隈川をせき止め、信達地方を湖にして敵を防いだ所といわれ、その時、この岩が水に潜ったので潜り岩の名称がついた。その水が白石の方にもあふれ越したのでその所が越河(こすごう)と呼ばれるようになった。
●
伊具郡誌によりますと
耕野村大坊木にあり天喜年間安倍貞任河水を止めて漲溢せしめ以って源義家の軍を防ぎたるばしょにして其際阿武隈川の水平常より幾十尺の高さに達し其岩の頂を浸したるよりこの名ありと云ふ。
●
風土記御用書出によりますと
一 潜リ岩 高廿丈 幅拾丈 右ハ阿武隈川上にて伊達境御座候往古八幡太郎義家公安倍貞任為御追討當国御下向之節賊徒此所江大木砂石を切沈川を堰上刈田伊達の両軍大水溢湛へ御味方之諸軍勝利を失候由其後、貞山様会津御陣之節此所堰上川水溢出御合戦御利運無之候由申伝候仍而此所堰留後ハ川水大ニ湛ヘ相渡候事難叶場所御座候ニ付 貞山様御領地ニ罷也候以後右岩の上江御林被相立置後世共川を堰上候御備ニ被遊候由此所大岩石左右指覆険阻之地形御座候事
国道349沿いの潜り岩を登る
国道349号線を福島方面へ進んで行くと左手に大きな石が見えてきます。(※道が狭くてカーブが多いため対向車に気をつけて下さい!)
潜り岩の頂上です。かなりの高さですので登るときは落ちないよう気をつけて下さい。
下を覗き込むとゾッとする高さでした。ここまで川の水が上がってくれば福島方面は湖になるのもわかる気がします。
潜り岩頂上より、山を切り崩してできた国道349号線を望む。
潜り岩の全体写真。高さが39mあるそうです(釣り糸で計測)。写真は対岸の九瀧神社から撮影しました。風土記にある山王窟を探してみましたがありませんでした。
●
猿跳石(さるぱねいし)の伝説●
●
耕野の名所・旧跡と伝説によりますと
舟が川を下る時、大波に見え隠れする岩が、猿のように見えるから(奥州仙台遠見記)という説と、近くの岩洞のお山王さんと霊山のお山王さんの使いに猿が群をなして跳び越えたので(郡誌、封内名蹟誌、封内風土記、観跡聞老誌)名付けられたと諸書にある。往古は登竜門滝と言ったという(安永の風土記)。
●
伊具郡誌によりますと
猿跳瀧 耕野村大窪にあり観跡聞老志に曰く此地河流両岸峡狭窄峻聳にして岩洞を山王窟といへり■猴(猿)斯地を往来するに群猴相引いて両岸を超ゆ故に猿猴越と曰とあり阿武隈川の河床此地に於いて急斜を為し岩塊碌碌として水常に奔騰し舟行の難所なり。
猿跳石 阿武隈川中にあり往古此石に猿猴の跳ねつきたる岩と伝ふるを以って名あり寸尺不詳。
●
風土記御用書出によりますと
阿武隈川
一 猿超石 高壱丈 廻り二丈 右ハ阿武隈川中ニ有之候ニ付高廻リ水の増減ニヨリ不同御座候間大敷を以御書上仕候但往古此石上江猿飛付候ニ付名付候由ニ申伝候
猿超 一 猿超瀧 長廿五間 幅八間 往古ハ東登瀧(龍の間違いか?)門瀧と唱候事ニ申伝候事
猿超 一 山王窟 高八尺 幅五尺 右ニ付由来相知不申候事(※どこにあるかわかりませんでした)
猿跳石(さるぱねいし)
猿が石伝いに川を渡ったとされる猿跳石と猿跳滝。渡れると思いましたが渡れませんでした。写真は九瀧神社方面から撮影。
潜り岩方面からの写真。
●
九瀧神社(くたきじんじゃ)●
●
耕野の名所・旧跡と伝説によりますと
潜り岩の対岸にあり、阿武隈川の大きな九つの滝の神を祀っている。昔船頭は舟運の安全を祈り、上り下りお参りをしたという。そこは阿武隈川随一の淀である。深さは約30m(釣り糸で計測)
九瀧神社(くたきじんじゃ)
九つの滝を祀った九瀧神社。梁川町の方では、この場所が九つの滝になっていて信達地方は湖であった。この滝を壊して阿武隈川ができたと伝えられております。(まるもりの伝説より)
九瀧神社の額。
境内にあった、不思議な形をした石。
九瀧神社より奥の岩山(潜り岩の対岸の岩山)へ行ってきました。
潜り岩から見た九瀧の岩山。
九瀧の岩山頂上には神社がありました。祠の左右に白い狐が祀られています。
九瀧の岩山の横にある明神淀。かなーり深いそうです。なんだか妖怪が出てきそうな雰囲気。
岩山に石段が彫られているか確認してみました。
潜り岩から石段のように見えましたが、自然に出来たものでした。
九瀧の岩山にある石碑群を散策
九瀧の岩山にある石碑群。
見猿・聞か猿・言わ猿が彫られている庚申の供養碑。
甲子と彫られた卵形の石碑。山梨県甲府盆地に点在している丸石道祖神に通じるものを感じました。
九瀧の岩山と自分。赤丸が私です。
潜り岩と九瀧神社
阿武隈川で一番狭いところと言われています。
潜り岩を見学するには駐車場はありませんので、国道の待避所に車を止めました。国道が狭いため対向車に注意して下さい。潜り岩対岸の九瀧神社へは、羽出庭大橋を渡った方が近いと思います。駐車場はありませんので道路に路駐して参拝しました。
ホーム
きっかけ
巨石探訪
石碑巡礼
伊具の不思議
旅で出会った石
リンク
瑞雲寺HPへ