道端に佇むお地蔵さん、子供の登下校を見守る供養石、
神社の鳥居、家の墓、石碑、記念碑、城の石垣
などなど、さまざまな石がありますが
皆さんはあまり意識しないで道を通り過ぎていることであろうと思います。
私が石に興味を持ち始めたきっかけは、
小学生の頃、近くの裏山を登っていた時のことです。
道に迷いながらもやっと行き着いたところは、
大小さまざまな石がある場所でした。
あたかも古代遺跡の廃墟のような感じがして、何万年何百万年、
あるいは数億年、ここにずっといたのかと思いをはせたとき、
物言わぬ石に浪漫を感じました。
それ以来友達を誘って裏山探検をしながら石に対し興味を深めていきました。
ところで丸森はどこにあるのかというと、
宮城県の一番南にあります。
昔は丸森と角田をあわせて伊具郡といっていました。
丸森町は温暖な気候と人の住みやすい所で、町のいたるところ所には、
先人の生活を物語る遺跡が見られ、
登録している遺跡の数だけでも154箇所(宮城県第2位)を数えます。
(現在はもっと増えているかもしれません)。
丸森町は花崗岩の多い地帯で、
いろいろな巨岩怪石を見ることが出来る自然豊かなところです。
丸森の石碑だけでも約2000碑あるそうで、
角田も含めるとかなりの数にのぼります。
おそらく郡内の石碑、古墳の石室、神社の鳥居、城の石垣などは
豊富な花崗岩を加工して作られたものと思われます。
加工して作られた石といえば、一番身近なものは、
家のお墓であると思います。
小さい頃はお彼岸やお盆になると、
お花・お茶・線香・お菓子を持ってお参りに行ったものでした。
水で墓石の掃除をし、茶碗にお茶を入れ、お菓子、線香をあげたあと、
私の祖母は、亡くなった祖父・身内の方々に向かって、
親しげに家の近況をお話していました。
石で出来たお墓に向かってお話することで、
亡くなった方々と通じていました。
科学的に見ればお墓の石は、花崗岩を例とすれば
石英、雲母、正長石、斜長石などで出来ている無機質なものです。
しかし石を加工し、文字を彫り、
魂を入れ、人々の信仰を集めた時、
単なる無機質な石は神・仏に昇華すると私は信じています。
また、加工もしないのに圧倒的な存在感、
そして人々の信仰を集める石が丸森には存在します。
加工された石、加工されない石
あまりスポットを当てられなかった丸森の石達を紹介できればと思い
この「丸森の巨石伝説」を作成しました。
石を通じて丸森の魅力を伝えることが出来れば幸いです。
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